2008年8月2日土曜日

モンサンミッシェル

【 なぜ卒業旅行でモンサンミッシェルか? 】
 中学生時代の話ですが。どうでもいいつまらない映画も見終わりそろそろ寝るかな、とつけっぱなしにしていたテレビ。世界の車窓。何気なく観ていたら海の真中にポツンと忽然と城がうつっていた。後に判ったことだがその城は「モンサンミッシェル」。「ここだ。」と金縛った。いつかは行ってみたい、いや「約束の地」だから行かなくては(随分大げさ)と感じた。時は流れて大学生。遂に卒業旅行でフランス旅を実行に移した。


【 空手でホイッ!ホイッ! 】
 日程は予算とモンサンミッシェルまでの移動を考慮するとパリ1泊モンサンミッシェル4泊再度パリ1泊の6泊8日。お金が無い学生の味方 H.I.S.にてアエロフロートのチケットを予約しロシア経由でフランスへ・・・空港からパリ市内まではバスで移動。パリの「北駅」に到着。着後ホテルへ。と、ここで一緒に行った友人と一悶着。「北駅」から1泊目のホテルまではタクシーを使ったのだが、自分が運転手に渡したチップの料金で一緒に行った友人に「チップ渡し過ぎ!」と言われる。自分は日本円に換算すると160円~240円だから「渡し過ぎではない」と、言い合いになり何となく不穏な雰囲気に。自分は「ちょっと街を散策してくる。」と怒り気味に友人を一人残し街の中へ。
パリ

プンスカしながらも「何か飲み物でも欲しいなぁ」と街中を散策。歩いているとコンビニというか商店っぽい「チャンドラー」というパリの中心地にあるにも関わらず中東の雰囲気200%「お香」の香りは400%な店くらいしかなく仕方なく入り、コーラを買おうとするもそこの店員に「そんな物飲むな!薬物が入っているぞ!骨が溶けるぞ!」 突っ込みどころパーセンテージ は測定不能なことを言われ仕方なく店員&客、強烈レコメンドの「ソイジュース」なる物を買うことになる。その上「日本人か?」「空手を見せろ!」的なことを言われ、自分は何となく腰を落として、なんとなくコブシを突き出し「ホイッ!ホイッ!」と、なぜかやったことも無い空手のヘッポコ素振りをやらされた。「こりゃつらいな・・・。店員&客の視線が明らかに懐疑的過ぎるぞ!」と感じた自分は「もういいか?」的に店を出て「なんだったんだチャンドラー・・・」と疲弊しながらもなんとか気分を変え、ジュースでも飲みながら街を再度散策するぜっと歩きながらジュースを一口飲んだがどうにも豆。もっ回飲んでも豆。豆。豆。眉間にシワよせながら「自分はフランスで何やってるんだろう?」と、だんだんおかしくなってきたのでさっきまで怒っていたのがどうにもちっぽけでどうでも良く思えてきたのでホテルに帰る事とする。ホテルに戻りチャンドラーでの出来事を話すと友人も爆笑で機嫌が直ったようだった。「空手でホイッ!ホイッ!はないだろ・・・」。

【 絶句 】
 翌日は早起きをして昨日の件もあった為タクシーではなく地下鉄を何とか乗り継ぎ(フランスの地下鉄も日本の電車に負けず劣らずむつかしい!JRの新宿駅構内から外に出ようと改札を抜けたがそこは京王線の乗り換え用改札で、どうやったら外に出られるんだよ!状態連発。必勝パターンは日本と同じ。よく案内標識を見る事!)サンラザール駅へ。そこでモンサンミッシェルまでの切符を買い電車に揺られながらフランスの街並みを車窓から眺めつつ一路モンサンミッシェルへ、レンヌで電車を乗り換えモンサンミッシェルの玄関駅「ポントルソン」と言う駅で降りる。駅からはタクシーで移動。田舎の香りが漂う風景をみながら、ついに来たぜ!モンサンミッシェル、中学生の頃から8年越しの切望。本当に行けるのかという期待と不安を抱えながらも、遂に来た。と一人勝手に心の中で盛り上がってきているのを感じていた。 モンサンミッシェル

モンサンミッシェル 結構なスピードで走る車内。少し先に右コーナーが迫ってきた。運転手は減速せずにそのままコーナーへ入る。横Gを感じながら、ウインドウ越しの外を流れる木々を眺める。そしてコーナーの中盤、先ほどまで立ち並んでいた木々が不意に途切れ、俺は遂に、フロントガラス越しにモンサンミッシェルの光景をとらえた。ただただ心が揺さぶられた。さすがに8年越しの思いは強かった。友人が「見えた!」と言うも、若干、若干!目頭が熱くなっており、無言で3mm程、顎を引くくらいの応答しかできなかった。
地平線とも水平線とも言える、そのかなたの美しい直線を寸断するかごとく神秘的に存在する城。でっかい江ノ島さ。と片付けるのはあまりにも失礼なのではないか?現在でこそ改修が幾度となく行われ形は変わっているが、凛としたその存在に過去の巡礼者が命を賭してまでも辿り着こうとした気持ちは時代が変わり手段も変わったとしても共感できるものがあるなぁと感じた。思い入れが強すぎるか?
【スケッチブック片手に絵描きザンマイ 】
そもそも、なぜモンサンミッシェルに4泊することに決めたかと言うと、若い頃、自分は絵を描くことにハマっており、フランスのモンサンミッシェルで絵を描けたらいいなぁと漠然と思ったからである。と、言うことで翌日からはスケッチブック片手に絵描きザンマイ。モンサンミッシェルのホテルに泊まっている為、通常の旅行者とは逆に、モンサンミッシェルから徐々に離れて行き、草原(満潮時には水没するところ)にシートをしいて、アグラをかきながら絵を描く。昼ごはんはモンサンミッシェルの城下町で買ってきた特大(指先から肘までの長さもある)ツナサンドイッチをほおばりながら安ワインを1本あける(ワインオープナーを忘れずにっ!)。普通の旅行者はこんな経験はできないはず。と悦に入りながら草原のど真ん中で絵を描く。絵に飽きたら辺りにいる羊を追い掛け回したり(周辺は乾燥した彼らのフンだらけです。気にする人には周辺探索はオススメできません。)しながら、夕方には再度モンサンミッシェルの宿に戻る。
その頃は(も)ヘソ曲がりだったので、「モンサンミッシェルに来たら一度は食べろ」と、どんなガイドブックにも書いてある名物のオムレツは食べずに、夕食はコンビニまで歩いていき(往復4~50分かかります!)パンや缶詰、オレンジジュースなどを買出ししホテルの部屋で食す。グデグデな缶詰は旨かった!

ライトアップされるモンサンミッシェル その後、夜中20:00から22:00くらいだったように記憶しているが、突然、モンサンミッシェルの城内全体にサイレンが大音響で響き渡る。「何事?」と耳を澄ませると、どうも「もうすぐ満潮です、車や乗り物で来ている方は海水に浸ってしまうので安全なところに移動させてください、責任は持ちません」的なことを言っている。「こんなタイミングは逃せないぜぃ!」と、果敢にも城の外に出て満潮で海水に囲まれ、ライトアップされ幻想的に浮かぶモンサンミッシェルも堪能。満喫満足!!

モンサンミッシェル 【神に感謝!! 】
次の日は霧のためモンサンミッシェルを離れても絵は書けないなぁとふんで城内散策。城内中腹付近のレストランで、霧の中、幻想的な朝食。映画のワンシーンかっ?と思わせる雰囲気に酔いしれ、調子に乗った自分はキリスト教徒でもないのに城内の地下で行われるミサに参加。「一度ミサが始まると終わるまで出られないぞ!」と司祭様に脅されるも、「時間はあるからOK」と答え、細暗い階段を降り地下の教会へ。神秘的な雰囲気のミサに参加。信者ではないが、こんな経験をさせてくれた神に感謝!
終了後(実時間は30分くらいでした)階段を上り、表に出ると、朝方は10m先も見えなかったはずの霧が晴れており地平線まで見渡せる!神に感謝!!
再度城内を散策。頂上付近の空中庭園を抜け、屋上的な所へ出ると眼下には広大な海とも砂浜ともつかない流麗な景色が広がる。モンサンミッシェル大満喫。その翌日も絵を描きつつワインを飲みつつ好き勝手に過ごし、その翌日、遂に帰路へ。帰りはバスがあったのでバスで駅(確か、ルマン駅だったような・・・)まで行き、電車に乗り換えパリへ。特にパリには興味は無かったので30分だけ観光し就寝。翌日名残惜しみつつも日本へ帰ったのでした。

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